
みなさんは「世界三大美術館」と聞くと、世界のどの美術館を思い浮かべるでしょうか?
例えば有名な「ルーブル美術館」などが真っ先に頭に浮かぶ方もいるかもしれませんが、実は世界三大美術館の定義はかなり曖昧です。
しかしこの諸説ある世界三大美術館の中でも特にリストアップされるのが、五十音順に次の4つの美術館となります。
- エルミタージュ美術館(正式名称:” Государственный Эрмитаж”, ロシア)
- プラド美術館(正式名称: “Museo del Prado”, スペイン)
- メトロポリタン美術館(正式名称: “The Metropolitan Museum of Art”, アメリカ)
- ルーブル美術館(正式名称: ”Musée du Louvre”, フランス)
誰もが知るルーブル美術館はどの諸説においても必ず挙げられる美術館となりますが、他の3つは説によってリストアップに違いが生まれます。
今回は世界を代表するこれら4つの有名美術館の基本情報やその特徴を見ていきましょう!
エルミタージュ美術館(ロシア, サンクトペテルブルク)

ロシアのサンクトペテルブルクに位置する「エルミタージュ美術館」は、なんと建物自体が世界遺産に認定されているミュージアム。
ロマノフ王朝時代の女帝エカチェリーナ2世が1775年に宮廷として隠れ家を建設したのが、このエルミタージュ美術館の起源となります。
そんなエルミタージュ美術館は、観光客からも人気の高いサンクトペテルブルクという絶好のロケーションに建てられていることもあり、毎年多くの入館客が訪れるスポットです。
そしてその最大の特徴は、ミュージアムとしては規格外となるその巨大さ。
それもそのはずで展示品の総数は300万を数えるため、短時間で全てをじっくり眺めるのは非常に困難です。
ある意味美術館マニアにとっては天国のような空間ですが、何も計画を立てずに回ってしまい途中でリタイアしてしまう観光客も数多く居るのが現実だと言えるでしょう。
そしてこの巨大さに増改築を繰り返した経路の複雑さが組み合わさることで、館内で迷子になる人も続出します。
それだけ見応えのある美術館であることは間違い無いですが、エルミタージュ美術館を訪れる際には必ず館内地図を参照しながら鑑賞しましょう。
1階にしか設置されていないお手洗いと軽食屋の場所も地図で要チェックです。
プラド美術館(スペイン, マドリード)

スペインのマドリードに位置する「プラド美術館」は、15世紀から19世紀にかけて収集された王室によるコレクション9,000点ほどを展示しています。
元々はプラド美術館は「王国美術館」として、第一次世界大戦終戦の100年前である1819年にフェリペ2世らによるコレクションを元に開館されました。
その後1868年に現在の名称である「プラド美術館」に改称した歴史を持ちます。
そして実はあの大芸術家であるパブロ・ピカソがプラド美術館の館長を務めていた時期も存在します。
そんなプラド美術館の目玉といえばやはりフェリペ4世から厚遇を受け続けたディエゴ・ベラスケスや、スペインを代表する画家フランシス・デ・ゴヤなどの作品。
年間300万人の人々が訪れる「美の殿堂」の前には、今日も多くの人が列をなして開館の時を待っていることでしょう。
スペイン派、イタリア派、フランドル派絵画の傑作を鑑賞したい場合は、必ず一度は訪れたいおすすめミュージアムです。
メトロポリタン美術館(アメリカ, ニューヨーク)

メトロポリタン美術館は正式名称「The Metropolitan Museum of Art」、略して「The Met」の愛称で親しまれています。
これまで紹介してきた美術館のほとんどがヨーロッパ大陸に位置しているのに対し、メトロポリタン美術館は北アメリカ大陸を代表する屈指の美術館となります。
ゴーギャン、フェルメール、ルノワールなど美術にそれほど造詣が深くなくとも一度は聞いたことのある画家の名作を数多く取り揃えており、見応えたっぷりなのが特徴。
日本でも度々メトロポリタン美術館の所蔵品に関する展覧会が行われ、その度に盛況を博しています。
こちらも巨大な美術館であるため事前に下調べをしておくのがマストですが、最大の特徴は入場料が寄付制だということ。
というのもメトロポリタン美術館には正式に定められた入場料が存在せず、いわばチップのような形で入場料を支払います。
大人は25ドル〜、65歳以上は17ドル〜、学生は12ドル〜というのが最低金額の目安とされているので、ぜひ参考にしてください。
そしてその日本での人気から、現地では日本語対応のオーディオガイドをレンタルすることができるため、こちらも要チェックです。
ルーブル美術館(フランス, パリ)

最後にご紹介するのは、三大美術館に数えられる中でも最も有名なミュージアムである「ルーブル美術館」。
世界三大美術館の中でも圧倒的な年間入場者数1,000万人以上を数え、所蔵品は38万点にも及ぶため、名実ともに世界一の美術館であるとされています。
そんな美術の総本山とも言われるルーブル美術館の起源は、12世紀に遡ります。
フィリップ2世が城塞としてルーブル美術館の原型を建設し、少しずつ増改築を重ねるうちにパリの街のシンボルとしてその姿を披露することになったのです。
レオナルド・ダ・ヴィンチによる最も有名な絵画作品「モナ・リザ」やラファエロ、フェルメールなどの巨匠による作品を思う存分堪能できるため、一生に一度は訪ねてみることをオススメします。
まとめ:【諸説あり】世界三大美術館に数えられる有名美術館を大紹介!
人によってリストアップされるミュージアムが異なるのが、世界三大美術館の面白いところ。
しかしいずれかの美術館が劣っているといったわけではなく、今回ご紹介してきた4つの美術館全てに他のミュージアムと差別化できる突出したユニークさがあります。
このコロナ禍で海外まで出向くことは難しいかもしれませんが、この世界三大美術館であれば日本でそのコレクションを展覧会で見ることのできる機会も多くあるでしょう。
特にメトロポリタン美術館とルーブル美術館の所蔵品展覧会は、東京や大阪などで度々開催されているので、イベント情報を要チェックです!